執筆:宮本 拓海 (東京タヌキ探検隊!)
2013年4月(随時更新)
私(宮本)が続けている東京タヌキ探検隊!の調査研究は興味深い結果を示すことができました。この「ネット参加型生物調査」と呼べる調査方法は他にも応用できるのではないか、とも私は考えていました。例えばアブラコウモリです。実はアブラコウモリを探すのはとても簡単で、誰にでもできることです。ただ、調査範囲を東京都23区に限るとしてもあまりにも広大な面積であり、大勢の参加が必要になります。いったい何人集めればいいのやら。 ですが、ある日気がつきました。そもそも、全域をくまなく調査する必要はないのです。一部地域でのサンプル調査でも生息分布の傾向はわかるはずです。これならば調査のハードルも低くなります。
アブラコウモリの調査方法はタヌキの場合とは異なります。タヌキは遭遇確率が非常に低いため、偶然の目撃情報を待つしかありませんでした。アブラコウモリは現れる時刻も場所も事前に予測することができます。こちらから能動的に観察することができるのです。つまり、タヌキの場合よりも参加者の行動が重要になります。
調査の方法を簡単に説明すると、
「参加者に約1km四方の地域を割り当て、その地域内の複数の場所でアブラコウモリが飛んでいることを確認してもらう」
ということになります。
宮本は観察結果を集計し、地図を作成します。いかがでしょう、それほど難しいことはありません。皆様の参加をお待ちしています。詳しくは以下に書いてありますので、まずは一通りご覧ください。
1年目(2013年)は周知が難しいでしょうから「予備調査」として進めることにします。また、調査を実行する上での問題点を洗い出すための1年としたいと思います。本調査は2年目以降の予定です。
この調査の目的は
「東京都23区でのアブラコウモリの生息地図を作ること」
です。ただし、最初から全域を調査することは難しいので、2013年は一部の地域を調べるサンプル調査とします。将来的には全域を調査できるようにしたいです。
私の予想は「東京都23区全域にアブラコウモリは生息している」というものです。まあ、埋め立て地の一部は生息していないかもしれませんが。調査の結果からはアブラコウモリが都市にもよく適応していることが証明できるのではないかと思います。もしアブラコウモリが目撃されない地域があるとすれば、その理由を知りたいです。
※ここでの「全域」とは、「約1km×約1kmの地域メッシュのすべて」という意味です。
また、観察の結果を集計・分析すれば、おおよその生息数を推定することもできるかもしれません。これも重要なことです。もう一つの目的は、
「ネット参加型生物調査の方法のフォーマットを作ること」
です。
ネット参加型生物調査にはいろいろな方法がありますが、ひとつのやり方を「フォーマット化」しようと考えています(このページの文書全体がフォーマット(マニュアル)とも言えます)。
もちろん、地域や動物によって調査方法は違ってきます。東京タヌキの調査方法ともかなり異なったものになります。調査方法はいろいろ考えられますが、そのひとつの実例を示したいと思います。
フォーマット化ができれば、似たようなことを考えている方々の参考になるでしょう。他の地域、他の動物でも挑戦する人が出てくることを期待しています。
●3-1.アブラコウモリとは
アブラコウモリといっても知らない人が多いでしょう。
アブラコウモリはアジアに広く生息するコウモリで、日本でも広い地域に生息しています。特に平野部で見られ、大都市にも生息しています。アブラコウモリは建物の隙間をねぐら・冬眠場所とします。そのために都市部でも生息できるわけです。家屋にすみつくことからアブラコウモリは「イエコウモリ」とも呼ばれます。●3-2.アブラコウモリの見つけ方
アブラコウモリが飛翔する姿を見つける方法は簡単です。アブラコウモリを見たことがない人はまずこの方法を実際に試してみてください。すぐに見つけることができるはずです。
・飛翔する場所
水がある場所=川、池、屋外プールなど
水場はアブラコウモリが食べる飛翔性昆虫が多いからです。空が開けた場所=公園、学校の運動場、駐車場、駅前の噴水広場など
開けた場所は飛び回りやすいからです。水場もやはり空が開けた場所です。川や池がある場所は目撃できる確率が最も高いです。
珍しい場所としては、大通りの交差点を飛んでいるのを見たことがあります。
・季節
4月〜10月に活発に活動します。
冬は冬眠します。・時刻
観察しやすいのは日没の前後1時間ほどです。例えば午後6時が日没時刻なら午後5時30分〜午後6時30分となります。この時間帯なら空が明るいので、コウモリのシルエットの確認がしやすいのです。アブラコウモリは夜の間中飛んでいますが、空がまっ暗になると見つけにくくなります。日没時刻は「国立天文台 天文情報センター暦計算室」のホームページで確認できます。
日没時刻がわかるホームページは他にもありますのでネット検索してみてください。
あるいは多くの新聞にも掲載されています。このページの末尾におおざっぱな表を掲載しています。実用的にはこれでも十分です。
・天気
雨の日はコウモリは飛びません。・コウモリの飛び方
アブラコウモリはスズメぐらいの大きさです(スズメよりもやや小さい)。
鳥は直線的に飛びます。
アブラコウモリはひらひら飛びます。ひんぱんに方向転換しながら飛びます。・鳥との違い
日没時刻後は鳥はほとんど活動しません(夜行性の鳥を除く)。
鳥はよく鳴きます。アブラコウモリは超音波(高周波数音)で鳴くので人間には聴こえません。
●参加資格
東京都23区に在住、在勤、在学の方。個人参加でも家族参加でも可です。学校(部活動、サークル活動なども含む)での参加も可。ただし、小学生にはちょっと難しいかもしれません。
参加登録する時にはお名前(ペンネームも可)もお書きください。結果をまとめた報告書には参加者全員の名前も掲載しようと思っているからです。が、本名をネット公開するのには抵抗がある人もいるでしょうからペンネームでも可とします。ご希望ならばお名前を掲載しないことも可能です。
登録者にはデータ整理のために登録番号を割り当てます。
なお、登録番号001番は私、宮本です!アブラコウモリの飛翔を見たことがない方は、参加登録の前にまず上記3-2を参考に観察してみてください。
参加登録無しでの情報提供も可能とします。
●参加登録のメールを送る
まず宮本に参加登録のためのメールを送信してください。
メールにはお名前(ペンネーム可)と希望地域を書いてください。希望地域は自宅周辺や勤務地近くなど夕方の時間帯に活動しやすい場所が望ましいです。
希望地域は丁目で指定してください(丁目が無い場合は町名のみ)。※観察地域を指定しない参加登録も可能です。あちこち移動する仕事の方はこの方がいい場合もあるでしょう。
宮本からは希望地域を含む約1km×約1kmを地図で指示します。既に担当者がいる場合は近接地域をお願いすることになりますがご了解ください。この約1km×約1kmの区画は「メッシュ」と呼ぶことにします。
このメッシュには8桁の数字を割り当てています。これは「地域メッシュコード」(JIS X 0410)というもので、日本国内全体を(ほぼ)同面積で区切った領域にそれぞれ割り振られた数字です。地域メッシュの詳しいことは知らなくても大丈夫です。集計する側の利便のためのものですから。
(東京都23区全体のメッシュの数は約700あるようです(まだちゃんと数えたことはありません)。ということは、一部の人が複数のメッシュを担当することがあったとしても、全域をカバーするには数百人規模の参加が必要になります。最初の目標としては10%〜20%をカバーしたいので、100人程度の参加者がいてほしいということになります。)メッシュを指定すると同時に、アブラコウモリが現れる確率が高い場所も指示します。川(橋)、公園、学校などが主に指定されます。
●観察する
指定された場所で観察をしてください。
観察日の指定はしません。4月〜10月の都合のいい日を選んでください。
観察の時間帯が日没前後に限られているので、観察場所すべてを1回で回ることは不可能です。無理せず何度かに分けて観察してください。
※観察の時にできれば頭数も数えてください。学校などの場合は敷地内に入る必要はなく、敷地外からの観察で十分です。(学校の場合、プールがあるならその近くを必ず観察してください。)
指定以外での場所・地域の観察もしていいです。その場合、報告では場所を正確に伝えてください。
●報告する
アブラコウモリが確認できればすぐに記録するか、報告してください。後でまとめて報告してもかまいません。
2013年の最終期限は11月30日とします。
場所ごとに、日付、時刻などをセットで書いてください。・報告の書き方の例
・登録番号:001
・日付:2013年x月x日
・時刻:日没
・場所:杉並区高円寺南3-x-x、駐車場(名称不明)
・頭数:1頭
・その他:
・日付:2013年x月x日
・時刻:日没
・場所:杉並区高円寺南1丁目、かえる公園
・頭数:3頭
・その他:
※注意点
時刻=日没時刻前後の場合は「日没」だけでかまいません。それ以外の時間帯の場合は時刻も書いてください。
場所=指定以外の場所の場合は正確な名称、住所または位置情報を書いてください。指定場所については名称だけでかまいません。
頭数=確認できる頭数でかまいません。※正確な位置情報は緯度経度で示していただくと確実に伝達できます。位置情報の調べ方には以下の方法があります。
●観察結果は宮本がまとめます
報告されたデータは宮本がデータベースで整理し、地図を作成します。報告書はできるだけ早く公開します。
参加者全員に情報を伝達するためにSNSの使用を考えていますが、何を使えばいいですかね? Facebook?、Google+? どちらも実名制なのが問題かな…。皆様のご意見お待ちしています。
当面はGoogle+の個人ページで情報を伝達していくことにします。しばらくは宮本が作業全体を担当しますが、宮本は東京タヌキ探検隊!もやっていますし、会社員でもあります。作業量が多くなったら時間がとれなくなる可能性もあります。
また、アブラコウモリ調査はいつまでも私がやるのではなく、誰かに移譲することを想定しています。ただ、どんな人にやってもらえばいいのかは難しい問題で、かなり悩みそうです。できれば若い人にやってもらいたいという希望はあります。●ロゴマークを作ってみました
ちょっと思いついてロゴマークをデザインしてみました。
これには元ネタがありまして、「月に蝙蝠」という家紋のデザインをアレンジしました。オリジナルは「月に蝙蝠」でネット検索してみてください。コウモリの家紋というのはほとんど無いそうです。
あとはロゴタイプ(文字)もほしいですね…。この調査にいい名前をつけたいです。
●東京都23区の日没時刻(簡易版)
※日没時刻は毎年少しずれますので、この表は目安として利用してください。
◆は日没が最も早い時刻、最も遅い時刻を表しています。いずれも夏至冬至からはずれています。01/01 16:38
01/11 16:47
01/21 16:56
02/01 17:08
02/11 17:18
02/21 17:28
03/01 17:36
03/11 17:44
03/21 17:53
04/01 18:02
04/11 18:10
04/21 18:19
05/01 18:27
05/11 18:35
05/21 18:43
06/01 18:51
06/11 18:57
06/21 19:00
07/01 19:01◆
07/11 18:59
07/21 18:54
08/01 18:46
08/11 18:36
08/21 18:24
09/01 18:10
09/11 17:55
09/21 17:41
10/01 17:26
10/11 17:12
10/21 16:59
11/01 16:47
11/11 16:38
11/21 16:31
12/01 16:28◆
12/11 16:28
12/21 16:31
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