TTTキーボード研究室


宮本隊長のキーボード遍歴 その 2

格子配列キーボードを使う〜そして名機Apple Wireless Keyboard(2001年〜2011年)

2006年5月ごろ、TypeMatrix社の「EZ-Reach DVORAK」(EZR-2030)を秋葉原の小さなショップで買いました。パソコン雑誌で紹介されていたのを読んですぐに買いに行ったのです。PS/2端子だったのでPS/2→USB変換アダプターを介してMacに接続しました。

DSCF8488s

見ての通りの格子配列は当時はとても珍しいものでした。
また、普通のキーボードと異なり、中央に「backspace」と「enter」が配置されているという大胆な提案がなされていました。
Windowsを前提にしたものなので修飾キーがMacと異なっているのですが、既に当時から「システム環境設定」→「キーボード」で修飾キーの入れ替えが設定できるようになっていました。入れ替えをすることでMacでも問題なく使えていました。
格子配列の方が理にかなっていることを実際に確認できたのは収穫でした。横ずれ配列が意味がないことにも気付くことができました。今でも格子配列が好きなのはTypeMatrixのおかげです。
欠点は奥行きがちょっと長いことでしょうか。

少しさかのぼりますが、2002年からはデスクトップ機とは別にノート型のiBookやPowerBook、MacBookを買い換えながら併用していました。ノートパソコンのキーキャップを外すのはさすがに勇気がいるので、シールを貼ることでDVORAKに対応していました。
2007年ごろからはそのシールは手書きではなく、プリンタでシール用紙に印刷するようになりました。好きなデザインできれいなものができるわけで、見た目もかなり良くなりました。
シール用紙はなんでも良いというわけではなく、耐水性のもの、表面がつるつるしているものなどを選んでいました。耐水性でないと汗で印刷がにじんでしまうのです。
耐久性は良くなったのですが、やはり使っているうちに色が落ちたり、表面が削れたりしてしまいますので、いずれは貼り替えは必要となります。

2008年2月ごろ?以降は「KeyRemap4MacBook」を使うようになりました。これはMacのキー配列を変更するソフトウェアです。
このソフトウェアにはさまざまな配列変更の定義が用意されていました。その中にはTypematrixキーボード用の定義もあり、ありがたかったです。

2010年7月、Apple Wireless Keyboardを購入しました。JISキーボードの方です。型番で言うと「MC184J」または「A1314」。製品自体は2009年の発売です。
このキーボードはとにかくMacとの相性がいいのです。Macでの使用を前提にしているのだから当然ですが、Bluetooth接続でもトラブルはほとんどありません。また大きさもコンパクトでとても薄く、軽いのも特徴です(単3電池2本を収納してこれを実現しているのです)。帰省や出張の時には必ず持っていくようになりました。薄くて軽いと不安定になりそうなものですが、そんなことはなく机の上にしっかりと安定しています。

このキーボードは実はキートップが簡単に取り外せることも後にわかりました。ただし無理に外そうとすると支柱を壊してしまうので注意が必要です。
キートップが外せるということはつまりキーの入れ替えができるわけで、シールを貼らなくてもよいということです。

ところがこのキーボード、すぐに使いはじめたわけではありませんでした。もともとはiPod touchにつないで外付けキーボードにするつもりだったのです。ところが、うまく行かず、というか日本語キーボードとしては使いにくく、(かな漢字変換の自由度も当時は低く)、使用をあきらめたのでした。しばらくは使用せず放置していました。

Apple Wireless Keyboardで特筆すべきは「英数」「かな」キーの登場でしょう。
それまでは切り替えは「Ctrl + スペースキー」のトグルだったのですが、「英数」「かな」に分けた方が合理的なのは使ってみて実感できました。Windowsでは「英数/かな」の切り替えがずっと迷走しているのに比べ、Macではすっきりとした回答を早くから示していたのです。

これも後でわかったのですが、Apple Wireless KeyboardはMacBook系ノートパソコン用の外付けキーボードにもちょうどいいものでした。ノートパソコン本体のキーキャップを外したりシールを貼ったりなどまったくいじる必要なく、Apple Wireless KeyboardをDVORAK配列にして使えばすっきりとするのです。
(現実的な問題として、ノートパソコンが薄くなりすぎてキーキャップにシールを貼ると閉じた時に画面側に跡が残るようになりました。シール貼りはもはや不可能になったのです。)
私はさらにUS配列の中古Apple Wireless Keyboardを買って、そのキ−キャップを外してJISキーボードに取り付けています。かな印字がないのでとてもすっきりした外見になります。

2011年12月、オークションサイトでTypematrix社のキーボードEZR-2030(無刻印)を落札しました。これはUSB接続の製品です。
これもしばらく使っていたので、Apple Wireless Keyboardを使うようになったのはさらに後のこととなるのですが、いつのことだったかは思い出せません。2014年頃まではTypematrixを使っていたようです。
結局Apple Wireless Keyboardに代えたのはこちらの方がコンパクトだから、そしてシールを貼らなくてよいからです。

2014年、「KeyRemap4MacBook」は「Karabiner」に名前が変わり、さらに2017年に「Karabiner-Elements」になりました。
キーの設定が簡単になったのですが、設定の保存方法がかなり面倒だったりで、まだまだ未完成のソフトウェアです(2019年時点)。それでも便利なのでありがたく使っています。

ちなみにApple Wireless Keyboardは現在(2019年)でもまだ使っています。10年経っても現役というのは驚異的です。
※ただし、2019年夏ついに引退の時が来ました…。

写真は2019年夏現在のApple Wireless Keyboardです。

IMG_3115

キー配列はDVORAK_TTTにしています。中央にbackspace、tab、enterを並べましたが、ちょっと強引だったかも。これらのキーキャップには0.5mm厚のプラ板を両面テープで貼り付けています。
上に書いたように、キーキャップはUS版から外したものを取り付けています。


[TTTキーボード研究室 TOP] [東京タヌキ探検隊! TOP]