LEIA4 std配列はアルファベットのキーがすべてそろっている両手キーボード向けの配列です。
※「std」=「standard」
・日本語入力に特化しています。外国語やプログラミングには不向きかも。
・基本はローマ字入力です。左に母印、右に子音を配置しています。そのためキー配置が覚えやすくなっています。
・主要文字を中央に集めているので小指の負担が少なくなっています。
・原則、1キーに1英文字が対応しているので既存のキーキャップをそのまま使えます。ただし、形状がすべて同じDSAプロファイルなどを推奨します。
・[同時押し] 近接する2つのキーを同時押しすることで、撥音(母音+ん)、二重母音、「ん」、「っ」、1文字助詞などを入力できます。入力の効率化ができます。
・[略語] 子音2文字をかな文字列に変換することで入力の効率化ができます。
・これらをQMK Firmwareで実現しています。つまりパソコン側やスマホ側では何も準備しなくてもつなぐだけでこれらの機能を使用できます。
※QMK Firmwareが使えないキーボードの場合はKarabiner-Elementsなどで実装しています。
※この配列の目的は高速入力ではなく、日本語入力の効率化、省力化です。
LEIA配 std列では同時押しを多用するため、キーボードの種類によって向き不向きがあります。
キーボードは格子配列(オーソリニア)を推奨します。
縦ずれ配列(カラムスタッガード)でも使用可能ですが、ずれが大きいと同時押しがやりにくくなります。Ergodox、Corne程度の小さいずれなら許容範囲内です(小指を除いて0.5u程度までなら問題ありません)。
横ずれ配列(ロウスタッガード、通常のキーボード)では同時押しがやりにくくなるため、非推奨です。
右手に子音、左手に母音を配置しています。右手左手とも中央の3×3の部分によく使う文字を置いてあります。小指をなるべく使わないようになっています。
手前は左から、タブ、バックスペース、エンター、スペースです。タブは予測変換として使います。
LEIA配列では2つのキーを同時に押す「同時押し」を使用します。2つのキーは近い場所にあるので押しにくいことはないでしょう。
アルファベットのキーはすべてそろっていますが、濁音のための子音は左右端に追い出されています。これらは同時押しでも出力できます。
「K」と右隣り → 「G」
「S」と右隣り → 「Z」
「T」と右隣り → 「D」
「H」と右隣り → 「B」
となります。
「R」と下・斜め下を同時押しすると「P」となります。が、これらは同時押ししにくいため、「R+H」も用意しています。
「F」も同時押ししにくいと思いますが、用意しています。
※実線は推奨の組み合わせです。点線は代わりの組み合わせです。点線の組み合わせは同時押ししにくいので無視してかまいません。LEIA4 mini配列との共通化のため用意しています。
まずはこれらを習得してください。もともとあるBDGZキーはなるべく使わないようにした方がいいです。
二重母音と撥音は左側にあります。
二重母音と撥音は漢語(音読み)でよく使用します。この同時押しを覚えれば入力の効率が上がります。
二重母音は横のキーの同時押しです。
頻度が高いのは「ai」「ei」「ou」です。
「y」がある「you」「yuu」も出現頻度が高いので加えています。これらも二重母音と考えた方がいいでしょう。
撥音は斜め同時押しです。
「e」だけ2つ右下ですが、これは右下だと同時押しが難しいからです。
「ya」「yu」「yo」は左下にあります。
「ya」「yu」「yo」は子音と組み合わせて「kya」「syu」のように使うことを想定しています。もちろん単独で使ってもかまいません。
「ye」はあまり使わないかと思いましたが、チェックとかチェケラとかチェンバロとかシェパードとかジェットジャガーとかシェー!とかチェンジゲッター1!とかで使うので後から追加しました。
(つまり外来語ですね。シェーもフランス語由来という説があるざんす。諸説あるざんす。)
実際には「ん」は「nn」、「っ」は「xtu」が出力されます。。
「ん」は撥音で入力できることが大半なので、単独ではほとんど使いません。
助詞は右手側にあります。
助詞は文節の区切りになる語です。使用頻度が高い1文字の助詞を選んでいます。
子音の位置をなるべく合わせて覚えやすくしています。「を」だけは左手側にあります。
助詞ではありませんが、「つ」(tu)は使用頻度が高めかと思い、追加しています。「ひとつ」とか「いつ」などで使います。
「の」「と」「に」は別の組み合わせも用意しています。こちらの方が同時押しいやすいと思います。
これらは単語中でももちろん使えますが、最初は助詞の入力で使うようにすると覚えやすいです。
「った」(xtuta)、「って」(xtute)は「だった」「であった」「よって」などのように使います。
同時押しをまとめると上のようになります。縦方向や逆斜め方向の同時押しは省略しました。
最初の図に入りきれなかった同時押しです。
「の」「と」はこちらの方が押しやすいと思います。
「に」はこちらの方が押しやすいかもしれません。
子音を2つ続けて入力すると自動的に文字を出力します。
例えば、「ms」と入力すると「ます」になります。
略語は主に文末とよく使う語を用意しています。
文末には「です」「ます」「でした」「ください」「ません」などがあります。
よく使う語には「がつ(月)」「にち(日)」「さま(様)」「みなみ(南)」などがあります。
打鍵する文字と子音はなるべく合わせています。ただし濁音は清音に置き換えています。例えば「です」の場合では、「ds」としたいところですが、「d」は使わずに「t」に置き換えています。(キー数が少ないLEIA4 mini配列でも共用するためです。)
※略語はAZIKで言うところの「特殊拡張」です。
※略語はかな漢字変換の「ローマ字ルール」でも同じことができます。QMK firmwareが使えない場合や独自定義をしたい場合はそちらを使ったほうが簡単です。ただ、スマホではこの方法は使えません。
QMK firmwareならばキーボード側にこの機能を持たせることができるので、スマホでも略語が使えます。
どのような定義をするかは、個人個人の文体に大きくかかわってきます。私の場合は次のように定義しました。
hk ほか =他
hn ふん =分
hs はし =橋
ht ほど
h- ひがし =東
kn この
kr から
ks ください =文末
kt こと
kh かわ =川
kk がつ =月
k- きた =北
mk ません =文末
mn もの
ms ます =文末
mt ました =文末
mh まで
m- みなみ =南
nm など
nh には
nk なの
nr なる
ns なり
nt にち =日
n- にし =西
rr れる =文末
r- られる =文末
sk そこ
sm さま =様
sn その
sr する
ss します =文末
st した
sx しました =文末
s- しゅん
sh じゅん
sw しき =式
th とは
tk でき
tm ため
tr でる
ts です =文末
tt でした =文末
tx つぎ =次
t- でしょう =文末
wk わけ
yk よく
yr より
ww yann
w. yunn
w, yonn
覚えるなら文末語から始めるのがよいでしょう。また、よく使う語から覚えていきましょう。すべてを覚える必要はありません。
どのような定義をするかは、個人個人の文体に大きくかかわってきます。
私の場合、まず仕事で使う文体を優先しています。よって「です・ます」体になります。
「日月分」は日付時刻で、これは東京タヌキ探検隊!、東京コウモリ探検隊!での記録で多用するためです。「川橋」もコウモリ観察で頻出する語です。
書き手によってよく使う語は違ってきますので、上はひとつの例だと考えるべきでしょう。それぞれで工夫してほしい定義です。
なお、たくさん定義しすぎると覚えることができなくなります。よく吟味して厳選するべきです。
「です・ます」などの文末を2打鍵で入力できるのは、入力のリズムを良くする効果があります。同時押しでの撥音、二重母音、助詞も入力のリズムを良くしています。