Leia配列はDVORAK_TTT配列からさらに改定したキー配列です。
Leia配列でも引き続き「日本語入力で使いやすい」ことを目標にしています。
このころ、昔のエルゴノミックキーボード、「M式」のことを調べていました。 M式は1983年に発表された、森田正典による日本語対応キーボードです。MSXと同じ年ですね。当時は「パソコン」ではなく、まだ「マイコン」と呼ばれていた時代です。 M式は日本語入力に特化しており、現在のErgoDoxなどに見られる形状を先取りした画期的なものです。
森田氏の論文のコピーがこちらにあります。 また、私は古本で「改訂版 これが日本語に最適なキーポードだ」(1994年)も購入し、読んでみました。
M式はとてもよく考えられていますが、そのすべてを実装するのは大変そうです。そこでその思想を部分的に取り入れてみることにしました。
まず、右手側はTとDを並べることにしました。RとGを入れ替えたのは、Rの方が頻度が高いからで、M式とは関係ありません。
そして左手側。DVORAKで不満だったのは、Aが小指になることでした。これを改善したいと前から思っていたのでした。
M式では母音は「E-U-I-A-O」と並んでいます。が、「OU」「AI」の出現頻度が高いことから、次のような配列にしました。
こうなるとオリジナルのDVORAK配列からは外れてしまったと言えるのですが、代わりになる名前を思いつけていませんでした。仮称は「DVORAK」を外して「TTT配列」としていました。
上記の配列で問題だったのは、意外と「EI」の入力が実際には多かったことです。小指→親指の動きは離れ過ぎです。しかし改善できそうな並べ方はなかなか思いつきませんでした。
そんな時、気がついたのは、「横1列に並べる必要はない」ということでした。この辺りのページを見ていた時のことです。 これがわかれば簡単です。配列は次のように決まりました。
「OU」「AI」「EI」に対応できているだけでなく、意外と多い「YOU」も入力しやすくなっています。また、Yに続くのはA、U、Oであることにも対応できています。
うむ、これで一応満足です。
この配列では小指をほとんど使わないことにも注目してください。実際のキーボード上ではenterやbackspaceやshiftも中央に配置しており、小指の負担はほとんどありません。
通常のキーボードでは小指を酷使していることに気付いてほしいです。
(20年以上前、普通のキーボードを酷使していた頃、小指がつったことがあります。それ以来の懸案が解決したことになります。)
ところでこの配列、左手中段が「LEIA」となっています。「レイア」といえばレイア・オーガナ姫? 調べたら同じつづりでした。これはまったくの偶然です。でも良さそうな名前なのでこれを採用することにしました。
このままでも問題ないのですが、M式を調べて気になったのが、「AI」などの複合母音(二重母音)や「AN」などの内音(撥音)その他にも対応していることでした。M式ではハードウェア、ソフトウェアの両方を使って対応していたのでしょう。
今でもQMKならレイヤーを駆使すれば対応できそうです。ですがレイヤーが増えすぎるというのも指の負担が増え、覚えるのも大変そうです。
そして、いろいろ調べてたどりついたのがAZIKでした。
AZIKはかな漢字変換のローマ字ルールをいじることで日本語入力を省力化するものです(QMKは使う必要なし)。部分的にM式の入力方法を実現しているといえます。
そのままではLeia配列では使えませんので、改変して実装してみました。Macでは「かわせみ2」で実装しました。また、AZIKのすべてを実装したわけではありません。 左手側は下写真のようにしています。
右手側には「you」を配置しました。これはAZIKにはないものですが、意外とよく使うものです。特に私の場合、日付を「きょう【変換】」で入力するので省力化の効果が大きいのです。
※右端あたりで配列が一部違っていますが、使用頻度が低いので問題にはなりません。矢印キーをくい込ませることが多いので、この付近の配列は変化することがあります。Jだけはこの位置に固定するようにしていますが、特に理由があるわけではありません。
※AZIKはオプション扱いです。AZIKが使えれば少し効率的になります。ただ、キーの位置がちょっと不便でしょうか。
※AZIKは結局、LEIA ver2では取り除きました。ただし、「特殊拡張」(子音2文字をかな2文字に変換する仕組み)だけは取捨選択をしながら残してあります。
KとRを入れ替えました。(上の写真では既に入れ替えてあります。)
ちょっとしたことですが、使用頻度が高いKを人さし指に割り当てる方が打ちやすいと感じました。
また微妙に修正しました。
右手は中心にSを置き、左手のYは脇に移動しました。
数字や記号は好みで配置していってください。
実物ではこのようになります。
スペース、enter、tabなどは中央に集めています。小指をほとんど使わないようにしているのです。
スペース、tabは長押しでshiftキーも兼用しています。
矢印キーは文字キーの中にくいこませています。Pと↑は入れ替えてもいいでしょう。(写真ではPとFが入れ替わってますが、もうどっちでもいいです(笑)。)
また改定です。
初めてMが下段から動きました。
母音と清音子音が上段と中段に収まりました(青色部分)。これならキー配置も覚えやすいのではないでしょうか。
Wは下段にありますが、ショートカットが左下段に並んでいる、ということですのでこの位置でいいのです。
これ以上の改定は目的を見失ってしまいそうですので、これで完成とします。
ここまで来るのにかなり時間がかかってしまいましたね…。
※以上がLEIA ver1です。コンマとピリオドが中央にあること、ハイフンが上段にあることが特徴です。
改訂というわけではありませんが…。
主要文字を左右の3x3に収めました。区別するために「LEIA 3x3」と命名します。
左下のZXCVがくずれますが、それが気にならないならこちらの方が使いやすいかもしれません。私もこちらを使用しています。
1キーの空白がありますが、ここは自由に使ってください。私の場合はだいたい上矢印キーが使用します。
※「LEIA 3x3」と命名したのですが、以後はこの配置が定着したので「LEIA ver2」とします。コンマ、ピリオド、ハイフンが下段にあることが特徴です。
・左に母印、右に子音を配置。
・主要文字を中央に集めているので小指の負担が少ない。
・キー配置が覚えやすい。
・格子配列または縦ずれ配列に向いている。
・1キーに1文字が対応しているので実装は容易。レイヤーや同時押しなどはありません。
・1キーに1文字が対応しているということは既存のキーキャップをそのまま使える、ということでもあります。ただし、形状がすべて同じDSAプロファイルを推奨。