TTTキーボード研究室

フォントを作ってみた


オリジナルフォント「ウネウ」(UNEW)

2025年2月製作

●経緯

フォントのデザインというものは既に無数に作り出されてきたので、目新しいデザインをひねり出すのも簡単ではありません。
今回はまずルーン文字とかフェニキア文字とか古い文字を現代アルファベット風にできないかと考えていたのですが、どうもいいアイディアが浮かんできません。そのまま置き換えるだけではアルファベットの形として認識できないのが問題です。

ならば、古い中国の文字、篆書(てんしょ)とかではどうだ?と、調べてみました。
篆書は絵文字のような甲骨文字とより現代的な漢字に近づいた隷書(れいしょ)の中間的な文字で、現代から見るとちょっと読めない…というデザインです。
篆書というと現在では印鑑に使われる、くねくね線の文字として知られていますが、実際の篆書は様々な形のバリエーションがあります。
今回は「篆書字体データベース検索」(人文学オープンデータ共同利用センター)を参考にしました。いろんな漢字を打ち込んで調べてみました。
(このデータベースに収録されている文字は古代当時のものではなく、ずっと後にまとめられたものです。)

アルファベットのデザインでなぜ篆書?と思われるでしょうが、まあ実装例をご覧ください。

●実装例

IMG_8700

篆書そのままだったり、篆書をアレンジしたものもあります。
例えば、篆書そのままなのは、
「A」は「今」
「D」は「月」
「O」は「日」
「W」は「山」
「X」は「五」
といった具合です。
篆書のほうがアルファベットよりも古いので、形が似ているのは偶然です。しかし何という偶然。

実際に使ってみるとまあまあかな…。使いにくいということはありません。これで満足とは言いませんが、これはこれで。

真面目に書道や篆刻をされている方々からは大批判されそうな試みですが、私はそういうことからはまったく外れた立ち位置ですので気にしません。
こういう「見立て」は新しい発想を得るという意味でも大切ではないかと思います。

●フォントの命名

名前の由来は、
「篆書」→英語で「Seal letter」、sealとは印章、印鑑という意味→sealはアシカ科の動物という意味もある(やった!動物つながりだ!)→オットセイもアシカの仲間→オットセイはアイヌ語で「オンネカムイ(onne-kamuy)」、「オンネプ(onnep)」、「ウネウ(unew)」→じゃあ、「ウネウ」で、
ということです。


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