1日の生活
夜行性
タヌキは夜行性である。
昼もまったく活動しないわけではなく、例えば冬に日向ぼっこをする姿が見られることもある。
標準的な1日の活動は以下のようになる。
行動を開始するのは日没時刻の前後である。食べ物がある場所はわかっているので、そのような場所を巡回していく。食べ物が得られる場所は時期によって変わっていくので、ルートは常に決まっているわけではない。短期的な期間でも毎日同じルートを歩くわけではない。明け方にねぐらまたは巣に戻ってくる。戻る時刻は一定していない。これは食事を得るのに時間がかかったり、遠出したりすると戻るのに時間がかかるためである。
東京都23区での目撃例を分析すると、1頭での行動が最も多く約73%、2頭が約20%である。ただし、1頭の場合でも単独行動であるとは限らず、他のタヌキがたまたま近くにいなかったり、隠れていたりすることもあるはずである。単独行動の割合が実際にはどれほどなのかは不明である。
雨の日
タヌキは雨の時はねぐらや巣から外に出ない。
傘がいらない程度の小雨なら外に出るが、傘が必要な雨になるとまず外に出ない。
夜間の行動中に雨が降った場合は、雨がよけられる場所で待機すると思われる。
幼獣
幼獣は夜行性の習性が身についていない。そのため昼間でも行動することがある(7〜8月ごろまで)。成獣(親)の姿が見えないため、育児放棄されたのかと思われたりするが、実際には近くに巣があり、親はそこで寝ているか、あるいは近くに隠れて見守っていると考えられる。あわてて幼獣を捕獲する必要はなく、そのままにしておいてかまわない。
幼獣は集団で現れることが多い。誕生から時間がたっていないほど、巣から近いほど集団で見られる可能性が高い。(逆に言うと、成長して巣から離れていくとより少数での行動になる。)