東京タヌキ探検隊タイトル

東京タヌキタイムズ

126号(2019年6月) 東京都23区のタヌキの生息分布 目白崖線本郷台上野台グループ

生息分布地図

タヌキ生息分布図

Googleマップが開きます。

注意点(再掲)

・「サブグループ」は継続的にタヌキが定住している地域を表す。

・「グループ」はサブグループを地理的にまとめたものである。血縁関係・家族関係があるという意味ではない。

・グループ、サブグループの名称は原則として地名を採用している。

・サブグループに含まれる生息数は決まっていない。ただし継続的に定住しているということは1つがい以上が生息していることを意味する。

・サブグループの領域外にはタヌキがまったく生息していないという意味ではない。サブグループの領域(境界線)は便宜的なものでしかなく、その外側にも当然タヌキは生息している可能性はある。サブグループの領域外にタヌキを見つけても自慢にはならない。

・サブグループの領域内ではタヌキが均一に分布しているわけではない。

・意図的に地図に載せていない個体群もある。存在が知られることで生息に影響があるのではないかと心配されるからである。逆にあえて公表することで注意を促している場合もある。

・この情報を元にタヌキを探しても発見できる確率はきわめて低いはずである。タヌキの生息密度は非常に低いためである。マスコミの皆さん、探しても時間のムダです。あきらめましょう。

目白崖線本郷台上野台グループ 概要(再掲)

複雑なグループ名だが、領域内の主な地形名を連ねただけである。単純化すると神田川北岸一帯となる。もっと良い名称がないか考えているところである。

西は妙正寺川北側の中井、東は上野公園までを領域とする。各サブグループ間では離れているものもあり、そのような場所では日常的な行き来は難しい。
南側の御所グループ、北側の武蔵野台地グループとは離れており、行き来はほとんどないと予想される。ただし、後楽園サブグループ〜皇居サブグループは比較的近い。谷中からはJR線路沿いに北の王子方面まで薄く分布している可能性がある。

下落合サブグループは「新宿(区)のタヌキ」として以前から(2005年頃には既に)有名である。

上高田サブグループ

西から順にサブグループを解説していく。

目白崖線本郷台上野台グループは基本的には神田川・妙正寺川の北岸に位置するが、部分的に南岸にも分布している。上高田サブグループはそのひとつである。
中井サブグループに妙正寺川を隔てて隣接しており、関係が深いと推測される。

地図を見ての通り、この地域には複数の寺院が集中している。タヌキは寺院群の敷地内を主な行動範囲にしているためか、目撃される機会は少ない。
(墓地も寺院の敷地に含まれる。他の場所でも同様。)

中井サブグループ

妙正寺川北岸に位置する、「一の坂」「二の坂」…「八の坂」の坂で知られる地域。この斜面は目白崖線の一部である。

東の境界は山手通り。山手通りの高架下を通って東側へ移動することは容易である。

上落合サブグループ

妙正寺川南岸のサブグループ。
生息数は少ないようで、詳細な行動範囲はわからない。落合水再生センター敷地を利用している可能性は高い。

下落合サブグループ

新目白通り(目白崖線の下)と(旧)目白通り(目白崖線の上)にはさまれた領域に目撃が集中している。
東はJR山手線を越えて学習院大学の一帯まで含まれる。山手線の線路は下をくぐる道路があるので横断には問題はない。
(旧)目白通りの北側も領域に含めているが、南側に比べると生息数はずっと少ない。

下落合のタヌキは「新宿(区)のタヌキ」として有名。
2005年までには既に地元ではよく知られていた。というのは、当時、低層長屋(ようするにアパート)建設の反対運動が起こり、下落合の自然環境の象徴としてタヌキが注目されたためである。そのため目撃情報も多く、行動範囲もかなりよくわかっているサブグループである(それでもタヌキの出現場所・時刻を予言することは不可能)。
ただし、夜間は閉園するおとめ山公園、さすがに夜中にうろつくことはできない学習院大学など「ブラックボックス」の場所もある。また、最近は目撃情報があまり得られていない。一時期より地元の関心が減ったためかと考えられる。現在もある程度の生息数があるのは確実である。

戸山公園サブグループ

神田川南岸のサブグループ。
戸山公園は東の箱根山地区と西の大久保地区に分かれている。タヌキが生息しているのは大久保地区である。

大久保地区に隣接しているマンションは以前、ずっと未利用の土地だった(一部が駐車場として使われていた)。その頃からタヌキが生息していたことがわかっている。
以前からの生き残りなのか、どこかからやって来たのかは不明である。

127号(2019年7月) 東京都23区のタヌキの生息分布 目白崖線本郷台上野台グループ(承前)

雑司が谷霊園護国寺サブグループ

雑司が谷霊園と護国寺からなるサブグループ。
周辺地域を含めて目撃情報は少なく、詳細は不明である。
寺社や墓地は特に夜間の人口密度が極端に低いため、目撃される機会が少ないのである。

江戸川公園サブグループ

西は新江戸川公園、東は江戸川橋付近までが領域である。ここもやはり目白崖線の一部である。

目撃情報は少ないが、ホテル椿山荘東京の庭園に現れることもある。夜、庭園を散歩するとタヌキに遭遇することがあるかもしれない。

下落合サブグループと江戸川公園サブグループの間に空白地帯があるが、ここは住宅密度が高く、緑地が少ないためタヌキの生息には適していない。
江戸川公園サブグループの東側にも空白地帯が広がるが、これも同じ理由である。

東大植物園サブグループ

「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」通称「小石川植物園」に生息するサブグループ。
後述の後楽園は「小石川後楽園」と呼ばれて紛らわしいため、あえて「東大植物園」と名付けている。

同植物園はほぼ全周が高い塀に囲まれているためタヌキが出入りできる箇所が限られている(タヌキは塀を登れない)。そのため敷地外に出ることはあまりないようで、目撃の機会も少ない。

後楽園サブグループ

小石川後楽園を中心に生息している。
隣の東京ドームシティ、隣接する公園などにも現れることもある。

東京大学根津サブグループ

東京大学の本郷・弥生キャンパスから根津神社までの領域。

意外に思われるかもしれないが東大に限らず大学の敷地はタヌキなどにとっては生活しやすい場所である。緑地があり、人口密度が適度に低いためである。ただし、建物が密集し緑地が少ない都心型キャンパスは生息しにくい(例えば早稲田大学・早稲田キャンパス)。
東京大学・本郷キャンパスで言えば三四郎池の一帯はいかにもタヌキが隠れていそうな場所である。樹木が多く、高低差がある地形はタヌキ好みである。

上野谷中サブグループ

上野公園、谷中霊園を中心とする領域。
不忍池、上野動物園、東京藝術大学、上野・谷中の寺院群なども含まれる。

生息数が多いのは確かだが、夜間の人口が少なく、人が入れない敷地など隠れる場所が多くあるため実態はよくわからない。
上野動物園内にも野生のタヌキが現れることがあるという。もちろん、飼育エリアから逃げ出したのではない。

JR東北線(の西側の崖上)に沿って領域外を北方向に移動していく個体もあるようだが、目撃情報は少なく、定住している可能性は低い。

上野公園は皇居と同じく武蔵野台地の東端にあたる。ここから東方向へは分布は広がらない。

<スポンサー欄>