TTTキーボード研究室


宮本隊長のキーボード遍歴 その 4

自作キーボードの恩恵(2019年)

2018年12月、ようやく「自作キーボード」というものが存在することに気付きました。ブームは数年前から始まっており、気付くのがちょっと遅かったですよね。
ネットを検索していて「突撃!隣のキーボード」というタイトルの複数のブログ記事を見つけ、そこで自作キットというものがあることを初めて知ったのです。
ただ、ハンダ付け作業が必要など敷居が高すぎます。自分で作るという選択は最初からあきらめていました。
つまり私にとって自作キーボードは興味の中心ではないのです。私の関心は「文字入力の最適化」にあります。自作キーボードはそれを実現するための材料を提供してくれるので注目しているのです。

2019年1月、自作キーボードが刺激になり、NizキーボードのDVORAK配列をいじってみることにしました。自作キーボードの世界ではキー配列を自由に設定できます。DVORAK配列をそのまま使う必要はないことにようやく私も気付いたのです。
この時やったことは、KとCを入れ替える、XCVZを右下に集める、ということでした。これがDVORAK_TTTの最初のバージョンです。

その後、自作キーボードを買いたい(「作りたい」ではない)、という欲求は高まっていきました。いや、正確には「キーアサインを自由にいじれる格子配列キーボード」がほしくなったのです。
そこで狙ったのがErgoDox EZです。ErgoDox EZは正確には自作キーボードでも格子配列でもありませんが、私の希望に近いものですし、きっちり作られている印象で安心できます。しかし新品は高いですよね。ということで中古を探すことにしました。幸か不幸か、ErgoDox EZの購入者はそこそこ多いようで、待っていれば中古品が出品されるという状況でした。
2019年5月、めでたく中古のErgoDox EZを購入できました。

(実はこの頃、AmazonでX-Bowsも購入していますが、ErgoDox EZの方が出来が良すぎて、X-Bowsは時々助っ人として使うぐらいです。X-Bowsも気に入っているのですが。)

ErgoDox EZはMacからでも簡単にキー配列の設定ができるため、DVORAK_TTTの改良が急速に進みました。約1ヶ月でDVORAK_TTTの配列は固まりました。

そしてキーキャップです。
オリジナルのキーキャップをそのまま使うつもりはまったくありませんでした。そこで主にAliExpressでDSAプロファイルのキートップを探しました。DSAはすべてのキーの高さが同じなので、非QWERTY派にとっては必須のアイテムです。
ただ、気に入ったデザインのキーキャップはなかなかありません。Mac用のデザイン(コマンドキーやオプションキー)もほとんどありません。

キーキャップを自由にデザインできないものか…、といろいろ探して見つけたのが、POS用プログラマブルキーボードKB200の交換用キートップです。POSとはつまりキャッシュレジスターのことです。このPOSはキーがCherry軸、つまり交換用キートップもCherry互換なのです。
この製品は透明カバーに紙をはさみこめることができます。つまり自由なデザインが可能です。形状が四角形でないのは好き嫌いが分かれそうですが、私は気になりませんでした。
このキーキャップは矢印キーやescキーなどで部分的に使用するのがよいかも、と最初は思っていました。

いろいろとキーキャップを探しているうちにスターウォーズ文字のキーキャップがあることを知りました。ちょっとだけほしいと思ったのですが、製品のデザインがいまいちでしたし、そもそも文字が読めません!
そういえば「装甲騎兵ボトムズ」の文字はアルファベットに近いから意外と実用的に使えるかも…そう考えて作ったのが「むせるキーボード」です。データ作成にはそれなりに時間がかかりましたが満足できるものになりました。
実際に数ヶ月(会社で(笑))使っていたのですが、可読性が微妙に悪かったため、また別のデザインに変更しました。


ErgoDox EZを使い込んでいくと、名機のはずのApple Wireless Keyboardが使いにくくなってしまいました。横ずれ配列であるためどうにも打ちにくくなってしまったのです。
そこでApple Wireless Keyboardの代わりを探すことにしました。自作キーボードを中古購入することも考えましたが、ぴったりのものがなかなか見つかりません。MacBook Air用の外付けキーボードとして使うことを想定しているので大きすぎるものは避けねばなりません。左右分割式もケーブル接続部分に不安がありました。

そうこうするうちにPlanck EZが発売されました。ErgoDox EZと同じZSA technology社が製造販売しています。
Planckキーボードとは「40%キーボード」と呼ばれるカテゴリーの小型キーボードで、キー数は47しかありません。あまりにもキーが少なくてびっくりする人が多いでしょう。確かに以前なら私も躊躇したでしょう。しかしErgoDox EZでいろいろ試していたので、キーが少ないことにはもはや問題はありませんでした。

8月、Planck EZを購入しました。
LEDは必要ないと最初は思っていましたが、値段はあまり変わらないのでLED付きのものを選びました。
せっかく光らせるなら何か面白いことはできないかな、と思ったのが「わけがわからないよキーボード」の発想の元です。
ですが、「わけがわからないよキーボード」はどう見ても実用的ではありません。すぐに普通に使えるデザインに変更しました。


これ以降のことは「TTTキーボード研究室」で紹介しています。
まだまだ探求は続きそうです。

自作キーボード界の発展のおかげでいろいろなことが試せるようになりました。これまでどれだけ苦労してきたことか…、とこぼしたくもなります(笑)。本当にいい時代になったものです。


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