DUMANG DK6 Miniキーボードは中国の深圳超酷科技有限公司(Shenzhen BeyondQ Technology Co., Ltd.)が販売しているキーボードです。
DUMANGキーボードはキー配列を極めたい人向け、と言える製品です。
個々のキーを平面上に自由に配置できるという、配列中毒患者には夢のようなキーボードです。
詳しい説明は省略します。「dumang keyboard」で検索してください。
当たり前の配列なんかを試すものではありません。
自由に発想するのだ!
購入したのはDK miniというタイプです。前からほしかったのですが、ちょっと安くなっていたので思い切って買いました。
DK miniは左右をくっつけると横幅が60%キーボードとほぼ同じになります。
縦は6行分に相当しますので60%キーボードよりちょっと縦長になります。
試行錯誤の過程の前に、問題点を先に書いておきます。
・重い。ベースボードはしっかりした作りで重いです。持ち運びには不向き。安定感はあります。
・背が高い。キースイッチを差し込むキースイッチユニット自体が高さがあるので、どうしても全体が高くなる。パームレストは必須。
・設定アプリはWindows用のみ。
・レイヤーは4つまで。
・複雑なカスタマイズはできない。QMKと比べると低機能。
・電力を多く使うようで、USBハブはバスパワーではダメなようです。セルフパワーを使用しましょう。
・キーキャップはDSAのような背の低いものに換えるべき。購入時のキーキャップ(1uと1.25u)はSAプロファイルのようで、ただでさえ背の高いキーがさらに高くなってしまう。
・キースイッチも好みのものに替えるべし。あるいはいろいろ試してみるべし。
キーの配置だけでなく、キーキャップもキースイッチもカスタマイズしてこその製品だと思います。
・USBケーブルはマグネット式のものを使う。キースイッチユニットを付け外す時は接続を切った方がいいです。誤入力が発生するためです。
・細かいカスタマイズは、MacならKarabiner-Elementsを使用するのがいいでしょう。
・設定アプリはWindows用のみなので、MacユーザーもWindowsマシンがあった方がいいかも。LEDの色の設定もできますし。他にもWindowsでなければならない用途があるので宮本隊長は中古のWindowsマシンを持ってます。
宮本隊長がほしいキーボードのスペックです。
・ベースボードは左右くっつけて置く。非分割キーボードを想定している。
・文字部分はLEIA配列。文字配列の試行錯誤は既にやってしまっている。
・小指の外側には何もキーを置かない。みんな、そろそろ小指の酷使はやめようよ。
・テンキーは真ん中。が、左右のボードの分割にまたがるため、左右対称位置にはならない。データベース等で数字入力をよく使うのでテンキー配列は必要。
・キー数は十分あるので複雑なレイヤー構成にはしない。実際、レイヤーは基本の1つしか使っていない。
「小指の外側には何もキーを置かない」「テンキーは真ん中」というレイアウトは既存のキーボード(「自作」含む)ではまず見られません。DUMANGキーボードならばすぐに試すことができます。
※以下の日付は、キー配列を新たに変更する直前に撮影した日付のことがほとんど。写真が無い期間にも細かい修正を行なっている。
到着後、最初の配列。
・キーキャップはDSAプロファイルのX-keys Keycap Cherry MX Compatible(透明)に交換。
・文字部分は内側に傾けた縦ずれ配列。多少の位置の調整はあるが、これが約3ヶ月続く。
人さし指部分の角度をずらしているのは、人さし指の分担を明確にするため。
・矢印キーは真ん中に置いたが、この後、迷走する。
・修飾キー等(space/tab/enter/backspace含む、以下同じ)は親指担当。これらの位置の試行錯誤が続くことになる。
・tabは予測変換キーとして使っています。ですのでspace(普通の変換キー)とで左右セットになっているのです。
・キーは1uと2uのみ使用。
・使うキーは厳選している。Fnキーは12個もいらないですよ。homeもendなども使いません。
F1〜F4はデスクトップ1〜4、F8はiTunesの演奏のplay/stop。これらのキーキャップは購入時に付属していたものを使用。SAプロファイルなので背が高いのだが、文字入力用途ではないので問題ない。
・「US」は「英数」、「JP」は「かな」の意味。
この時点では、それぞれhome、endに割り当て、Karabiner-Elementsでかな、英数を設定している。
・文字部分、人さし指の最上段を左にずらしている。ちょっと遠いと思ったため。 このような位置の調整はちょくちょくやっている。
・テンキーは右手で使うので向きを合わせた。
・2uはなくして、1.5uに変更。キーが斜めになっていると2uだとサイズが大きいので配置しにくい。
1.5uのキーはErgoDox EZ用に買ったものを流用。
・矢印キーは右下へ移動。
・2uが一時的に復活。手元に適当なものがなかったためで、すぐに1.5uに戻すことになる。
・左下にショートカットを設置。設定アプリのマクロで定義。ちなみに空白のキーは「command+Z」。「月にコウモリ」キーは「command+option+shift+V」。これはMacでは「スタイル無しのペースト」の意味。個人的に必要としている。
・spaceはshiftと兼用、optionは「英数」と兼用、controlは「かな」と兼用。Karabiner-Elementsで実装。
修飾/特殊キー等の数は可能なら減らしておきたい。
・それならばenterとbackspaceは2つもいらないだろう、というのが道理だが、なかなかそうもいかない…。これはErgoDox EZを使っていた時のなごり。
・新しく買った1.25uキーを使用。プラモデル用塗料で塗っている。ただし、爪などが当たると色がはげていく…。
・修飾キー等の位置をいろいろ試しているところ。
・矢印キーが中央に戻っている。
・矢印キーを右下に戻したが、文字キーにくい込ませる位置にしている。これはErgoDox EZやPlanck EZでも採用していた配置。
文字キーがなぜか打ちにくかったのだが、その理由は文字キーが遠すぎたからということに気付いた。そのため文字キーを少し手前にずらし、矢印キーをくい込ませることにした。
・修飾キー等は変な並び方にするよりも他でも使えるような配列にした方がわかりやすいと考え、ID75キーボードなどで採用していた配置に近づけた。
・テンキーは格子配列に戻した。
そろそろDUMANGキーボードにも飽きたなあ、ID75キーボードをもうひとつ作って、そっちを使うか。と思ったので、最後にID75キーボードに近い配列に戻す。
うん、確かにこれは使いやすいよね、ということを再確認。
・文字キーのいちばん内側の列だけちょっと下にずらしてある。
実際には8月16日に変更。
そうだ、X-Bowsキーボードの配列を試してみよう。と思ったのだ。ただしX-Bowsキーボードと完全同一ではない。
X-Bowsキーボードは各縦列が少し間隔をあけて扇状に広がっている。
今回は「小指」「薬指+中指」「人さし指」の3つのブロックで角度を変えている。小指ブロックは縦にまっすぐ並べている(X-Bowsキーボードでは内側に少し傾いている)。
なぜかこれが意外と使いやすいのだった…。X-Bowsキーボードの「扇型配列」が正解なのだろうか?
小指は外側に少し開いていることに今ごろ気がつく。
・DUMANGキーボードは自作キーボードのデザイン試作に使えるのではないかと思います。設計前に十分に配列を検討できるので、試作の作業(設計から組み立てまで)を大幅に簡便化、低コスト化できます。
これは大きな利点ではないでしょうか?
・既存のキーボード(自作キーボードも含む)に満足できない人にも合っているでしょう。私の試行錯誤も既存キーボードにはなかったデザインです。
・レイヤーを多用する使い方には不向きか。私の場合は複雑な設定はしないので問題はありませんでしたが。
・キーを1回押すと、文字が2回出力されることが時々ある。原因不明。ハードウェア側の問題なのだろうか?
→キースイッチを交換すると解消しました。キースイッチとソケットの個々の相性があるのでしょうか?
・修飾キー等の配置を整理。
・space、shiftの兼用などはやめた。どうも私には合わないようだった。
・文字キーのいちばん内側の上段中段を外側に寄せる。ちょっとした調整。
・command+Wを追加。「ウィンドウを閉じる」はトラックボールのボタンに割り当てていたのですが、どうも酷使していたようで反応が悪くなってしまいました。そこでキーボードに専用キーを作った次第。
・1.25uキーキャップを新しく買ったものに交換。いい色のキーキャップはなかなかありませんね。
これでしばらく落ち着きました。
キー数は76キーとなりました(左39、右37)。使わないキーは除外してあります。
まだ続きます。
続きはこちら。
2021年もDUMANG DK6 Miniキーボードで試行錯誤してみた