TTTキーボード研究室


「Re: CUT Key」=CUT Keyの応用

2020年9月

●20キーで実装できちゃった

ここまで来て、CUT Keyを疑似的に実装できることに気がつきました。CUT Keyは以前に使っていたことがあり、実用的であるのもわかっています。文字キーが12個で足りるのも利点です。

CUT Keyとはこういう製品です。

CUT Key

CUT Key pocket

CUT Keyでは
K→K と入力すると「G」
K→K→K と入力すると「F」
が入力されます。
とてもわかりやすいですね。3度押しというのはちょっと無駄な操作にも思えますが…。

わかりやすいのですが、この2度押し、3度押しをQMKで実現する方法がわかりませんでした(今もわかりません)。
ですが既にOSLを2つ使うという方法を思いついていますのでそれを代わりに採用することにしました。
「2度押し、3度押し」を「左OSL、右OSL」に置き換えるのです。この方法なら3度押しを回避できるのが利点です。

IMG_4622

オリジナルのCUT Keyに近い配列にしました。
なんと、あっさり20キーに収まりました。そのため左端が余っています。
OSLが2つあるので記号類も詰め込めます。

左OSL→K と入力すると「g」
右OSL→K と入力すると「f」
が入力されます。

NUMキーは数字レイヤーに切り替えます(OSLではない)。黄色地の数字・記号を入力できます。もう一度NUMキーを押せば基本レイヤーに戻ります。

Macでは
左OSL→左OSL と入力すると「英数」
右OSL→右OSL と入力すると「かな」
になります。

確かにこれでも使えそうです。
ただし、両手持ち親指2本打法では指が上下に動くのがつらく思えました。この問題は次の試みで解消します。

※追記
「OSLを2度押し」することでCUT Keyを再現できるのではないか、ということも試しました。
確かにできます。しかし、素早くOSLを2度押しすると基本レイヤーに戻ってしまうことがあることがわかりました。QMKのソースをいじれば何とかなるのでしょうが、そこまでやるつもりはありません。
OSLを2つ用意した方がスマートな解決方法だと判断しました。

●24キーで実装する

CUT Keyを横倒しにすれば、母音・子音をきれいに左右に振り分けられます。そうなると偶数列の24キーの方が合うようです。(Godanに似たものになります。)
というわけで並べ直してみました。

IMG_4626

CUT Keyをそのまま横倒しにしたのではありませんが、並び順はわかりやすいはずです。前に作った「片手入力2号」に近い並びになっています。
Wは右手側に移動しました。

英数/かな切り替えは次の機能を追加しました。

Windows10では、
右OSL→左OSL と入力するとcapslock=「IMEオフ=英数」
左OSL→右OSL と入力すると「`(グレイヴ・アクセント)」=「IMEオン=かな」(※Alt無し)
としていて、会社のWindows10(Google日本語入力、JIS配列)ではこれでうまくいくのですが、個々のパソコンによってはこの通りではないかもしれません。Windowsではこういうことが統一されていないんですかね?

Android(Gboard)では
右OSL→左OSL と入力するとcapslock=「英数/かな切り替え」
となるようですが、これも統一されているんでしょうか?
ただし、個人的にはAndroidで英字を使うことはまずないのでそれほど重要ではなかったりします。

iPhoneでもcapslockが「言語切り替え」です。
外付けキーボードを接続すると、「設定」→「一般」→「キーボード」に「ハードウェアキーボード」という項目が現れます。特に何も設定しなくてもいいようです。

Mac、iPhone、AndroidはUS配列、WindowsだけがJIS配列でした。やはりWindowsは何かがおかしい…。

さて、なんだかキーが余っちゃったよ(笑)。
「タヌキ顔」はcommandキーです。
shiftキー、commandキーは試験的に置いたものです。同時押しをすることになりますが、使えるかどうかの確認をしたかったのです。
でも実際にはほとんど使わなかったです。

両手持ち親指2本打法ならこちらの方が使いやすいですね。

●16キーは可能?

さらに、もっと少ない16キーでも実装できるのでは?と考え続けました。

中国では「JJ4x4」「BM16A」「BM16S」といった16キーのキーボードがあります。

recutkey4x4

ちょこちょこと考えてみたところ、できました!(実装はしていないペーパープランです。黄色部分が数字レイヤー)

いやー、できるものですねー。
4x4サイズなら両手持ち親指2本打法でも無理なく指が届きます。

ただ、enterやbackspaceを基本レイヤーに置けなくなるのがつらいところです。
数字レイヤーではOSLを右1つしか置けないのもきついです。

●もう一度20キーで実装する

16キーが可能であることがわかりましたので、それを拡張した20キーを考えることにしました。
前とは違い、両手持ち親指2本打法にも対応した縦型20キーです。
16キーでの問題点も解消しました。

IMG_4712

主な操作は下4段でできます。
数字レイヤーでも記号類はOSLで入力できます。
数字レイヤーでも最上段はそのまま入力できます。

ただ、両手持ちだとなぜか持ちにくい…。
幅が狭いせいかと思い、左右に段ボール片をテープ止めし、さらに輪ゴムも巻きました。まあ、少しは持ちやすくなったものの、どうも不安定な感じは残ります。

机の上に置いて使うのには問題はありません。

●「Re: CUT Key」と命名

このあたりを考えていた時に「Re: CUT Key」=「リカットキー」という名前を思いつきました。

「CUT Key改」とか「CUT Key TTT」とか「CUT Keyリビルド」とか「CUT Keyリブート」とか「CUT Keyリライズ」(ガンダムビルドダイバーズ・リライズの放映が終わったばかりの頃だった)とか考えていたのですが、どうもしっくりこなかったのでした。

●24キーに戻る

IMG_4661

両手持ちには縦型は不向きと判断し、また横24キーに戻りました。キー配置は少し変えてあります。

すっかり忘れていたのですが、shiftキー、commandキーはOSM(one shot modifier)にしました。
OSMは例えば、shiftキーなどを押した後、次の1打にもshiftが有効になります。同時押しの必要はありません。
QMK ConfiguratorではOSM LSFT、OSM LGUIなどと表記されています。

これはAndroidの外付けキーボードとしてしばらく使ってみることにします。
(※2021年8月まで約1年間、ほぼ変更なく使っていました。)

そして、まだ続く…。


片手キーボードを試行錯誤してみたのリンク

片手入力キーボードの方針

個人的な片手入力の歴史

片手入力キーボード最初の試作 (2020年9月)

●「Re: CUT Key」=CUT Keyの応用 (2020年9月)

さらなる実験:Planck EZに実装する(2020年9月〜11月)

4×4を実装する(2021年8月)

Dumangキーボードで片手キーボードを試してみる(2023年1月)

5×5を実装する(2023年2月〜5月)

再び4×4を実装する(2023年6月)

Dumangキーボードで片手キーボードを試してみる その2(2023年10月)


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